イスラエルで電気自動車の普及を進めるシャイ・アガシさんに聞く
1月21日、日産自動車と親会社の仏ルノーが2011年までにイスラエルで電気自動車(EV)普及に乗り出すとのニュースが世界を駆けめぐった。カギとなるパートナーが、実際の事業運営や充電スタンドのインフラ整備を担当する、イスラエル系の米プロジェクト・ベター・プレイス(カリフォルニア州)。そのシャイ・アガシ創設者兼CEOに話を聞いてみた。www.thelongtailpipe.com
同氏はソフトウエア大手SAPの元副社長であり、起業家としても知られる。これまで四つの会社を起こし、今度は「石油なしに国を運営する課題に挑戦する」という。今回はイスラエルのオルメルト首相率いる産業ミッションの一員としての来日だったが、オルメルト首相も講演の中で、「EVを製造するための国内投資は無税。輸入する場合も一切関税対象とはならない。このような便益を享受するEV産業が国内経済の基盤となる」として、日本企業の積極的な投資とともに、イスラエルの「EV立国宣言」をぶちあげた。果たして脱石油と気候変動をテコに、EVはどこまで普及するのだろう。
■ルノー・日産が事業にかかわるきっかけは何だったのですか。
「名前は出せないが、世界の5大自動車メーカーに話を持ちかけたところ、1社はノーと言い、3社からは返事がなかった。ルノー・日産だけがわれわれはできます、と言ってくれた。2007年のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)でルノー・日産のカルロス・ゴーン氏がシモン・ペレス元イスラエル首相と会い、3人で話した時も、ゴーン氏は『われわれは作れる』と確約してくれた。2010年にはルノー・日産が月産1000台規模で生産を始める見通しだ」
■ベター・プレイスの役割は。
「いわば独自のビジネスモデルをもとにしたインテグレーター。イスラエルのプロジェクト向けに4億ドルの事業資金を集め、自動車会社やバッテリーメーカーと契約を結んだうえ、充電インフラを整備し、EVを顧客に販売する。カスタマーサポートまで行う」
「イスラエル国内では50万カ所の充電スタンドとバッテリー交換のネットワークを整備する。1台あたりの連続走行距離は150km程度。コードを使わず無線方式で充電するか、電気が空になったバッテリーは車から取り出してそのまま交換することもできる。所要時間は洗車にかかる時間とほぼ同じ。EVを購入したユーザーは走行距離に応じた使用料を負担すればよく、携帯電話の料金を払うのと同じ感覚だ。最初のEVはルノー製。バッテリーは日産・NECの共同出資会社の製品を採用する。EVはイスラエルで税制優遇を受けており、ガソリン車を購入して使うより安くなる」
■事業構想のプレゼン資料には、中国の国旗が描いてありましたが、中国でもプロジェクトを始めるのですか。
「あくまで一例に過ぎない。このビジネスモデルを世界に広げていく計画を持っていて、アジアでもそのためのパートナーを探している。現在、世界の30カ国と交渉中だ。今後、国ごとに発表があるだろう。中国について言えるのは、きれいな空気のための解決策を彼らが必要としていることだ」
■バイオ燃料や水素自動車といった、ほかの代替燃料車が広がりを見せる中で、EV普及に向けた自信は。
「イスラエルと日本はともに優れた技術はあるが、石油資源が無い。イスラエルは国土も狭く、EV普及の格好の実験場となる。イスラエルのプロジェクトを手始めに、あちこちの国の都市に広げていけば、その成果を目の当たりにして追随する都市が相次ぐだろう。いずれは1.5兆ドル規模の産業に育つと見ており、EV高度化のために共同基金をつくってグローバルな形での研究開発も進めたい」
「EVのバッテリーに供給する電力は風力、太陽光といった自然エネルギーからが望ましい。とくに太陽光は無限のバーチャル油田のようなもの。Photon(光)→electron(電子)→motion(動力)という一連のエネルギーの流れは極めてシンプルだ。大気汚染と気候変動への対応はまさに一刻を争う事態で、EVというクリーンで効率の良い環境適合車の普及をきっかけに、世界の自動車産業の業界地図が再び塗り変わるのは間違いない。10年後にガソリン車は地上からなくなる」
同氏はソフトウエア大手SAPの元副社長であり、起業家としても知られる。これまで四つの会社を起こし、今度は「石油なしに国を運営する課題に挑戦する」という。今回はイスラエルのオルメルト首相率いる産業ミッションの一員としての来日だったが、オルメルト首相も講演の中で、「EVを製造するための国内投資は無税。輸入する場合も一切関税対象とはならない。このような便益を享受するEV産業が国内経済の基盤となる」として、日本企業の積極的な投資とともに、イスラエルの「EV立国宣言」をぶちあげた。果たして脱石油と気候変動をテコに、EVはどこまで普及するのだろう。
■ルノー・日産が事業にかかわるきっかけは何だったのですか。
「名前は出せないが、世界の5大自動車メーカーに話を持ちかけたところ、1社はノーと言い、3社からは返事がなかった。ルノー・日産だけがわれわれはできます、と言ってくれた。2007年のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)でルノー・日産のカルロス・ゴーン氏がシモン・ペレス元イスラエル首相と会い、3人で話した時も、ゴーン氏は『われわれは作れる』と確約してくれた。2010年にはルノー・日産が月産1000台規模で生産を始める見通しだ」
■ベター・プレイスの役割は。
「いわば独自のビジネスモデルをもとにしたインテグレーター。イスラエルのプロジェクト向けに4億ドルの事業資金を集め、自動車会社やバッテリーメーカーと契約を結んだうえ、充電インフラを整備し、EVを顧客に販売する。カスタマーサポートまで行う」
「イスラエル国内では50万カ所の充電スタンドとバッテリー交換のネットワークを整備する。1台あたりの連続走行距離は150km程度。コードを使わず無線方式で充電するか、電気が空になったバッテリーは車から取り出してそのまま交換することもできる。所要時間は洗車にかかる時間とほぼ同じ。EVを購入したユーザーは走行距離に応じた使用料を負担すればよく、携帯電話の料金を払うのと同じ感覚だ。最初のEVはルノー製。バッテリーは日産・NECの共同出資会社の製品を採用する。EVはイスラエルで税制優遇を受けており、ガソリン車を購入して使うより安くなる」
■事業構想のプレゼン資料には、中国の国旗が描いてありましたが、中国でもプロジェクトを始めるのですか。
「あくまで一例に過ぎない。このビジネスモデルを世界に広げていく計画を持っていて、アジアでもそのためのパートナーを探している。現在、世界の30カ国と交渉中だ。今後、国ごとに発表があるだろう。中国について言えるのは、きれいな空気のための解決策を彼らが必要としていることだ」
■バイオ燃料や水素自動車といった、ほかの代替燃料車が広がりを見せる中で、EV普及に向けた自信は。
「イスラエルと日本はともに優れた技術はあるが、石油資源が無い。イスラエルは国土も狭く、EV普及の格好の実験場となる。イスラエルのプロジェクトを手始めに、あちこちの国の都市に広げていけば、その成果を目の当たりにして追随する都市が相次ぐだろう。いずれは1.5兆ドル規模の産業に育つと見ており、EV高度化のために共同基金をつくってグローバルな形での研究開発も進めたい」
「EVのバッテリーに供給する電力は風力、太陽光といった自然エネルギーからが望ましい。とくに太陽光は無限のバーチャル油田のようなもの。Photon(光)→electron(電子)→motion(動力)という一連のエネルギーの流れは極めてシンプルだ。大気汚染と気候変動への対応はまさに一刻を争う事態で、EVというクリーンで効率の良い環境適合車の普及をきっかけに、世界の自動車産業の業界地図が再び塗り変わるのは間違いない。10年後にガソリン車は地上からなくなる」
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